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2011-11-08 TigerVNC
■ RealVNC から TigerVNC に乗り換えるべき理由 (1)
この記事は Fedora プロジェクト内のFeatures/TigerVNCを翻訳したものです。訳は必ずしも原文に即していない可能性があります。
続編の RealVNC から TigerVNC に乗り換えるべき理由 (2)もお読みください。
訳注
Fedora では Fedora 11 よりデフォルトの VNC がオリジナルの RealVNC から TigerVNC と変更されました。 これまで Fedora は RealVNC に多数のパッチを当てたものを使用していましたが、それらの変更を TigerVNC にマージし TigerVNC を使用する方針になったようです。これにより RandR のなどの Xorg Extension が VNC で使えるようになりました。
要約
Fedora のデフォルトの VNC クライアントを TigerVNC に変更します。
RealVNC は2006年5月18日から開発元の RealVNC 社によるアップデートはなく、同社はエンタープライズ向けのオープンソースでない VNC の開発に移行しました。 TigerVNC は RealVNC からフォークしたプロジェクトで数多くの改良やバグ修正が施されており、今となってはこちらを使うのが合理的です。 現時点の問題は、Fedora の VNC には多くの変更が加えられており、パッチをマージする必要があることです。
現在の状況
- 目標とするリリース: Fedora 11
- 最終更新日: 2009年3月3日
- 進捗状況(%): 100%
詳しい説明
TigerVNC は "Tight" というネットワーク帯域を削減した拡張VNCプロトコルを実装し、全体的にオリジナルの RealVNC RFB 3.8 よりも優れています。 その一方で Fedora の VNC は X 1.6 をベースに拡張したより多くの Extension をサポートする、はるかに優れた X サーバ (Xvnc) を持っています。 Fedora が加えた変更を慎重に TigerVNC の上流にマージする必要があり、将来的に TigerVNC をFedora のデフォルトの VNC として使用するつもりです。
Fedora への利益
VNCにはより多くの機能が実装されるでしょう。また、これまで Fedora だけが独自に行っていた変更の代わりに TigerVNC 上流での開発の成果が反映されることになります。 全体のクオリティも上がるはずです。
対象
Fedora 独自の変更を上流にマージし、TigerVNC を Fedora で使えるようにします。
テスト計画
- Xorg のlibvnc.so モジュールが正常に動作するか確認する
- インストールした VNC が予期していた通りに動作するか確認する
- クライアント (vncviewer) が Xvnc や他の VNC サーバ (vino) に接続した際に正常に動作するか確認する
- Xvnc が他のクライアント (vinagre) で動作するか確認する
ユーザエクスペリエンス
- CPU使用率とネットワーク帯域を節約するエンコーディング
- クライアントの国際化
- クライアントの IPv6 サポート
依存関係
Anaconda はこれまでの VNC の代わりに TigerVNC を使用することになります。
不測の事態への対応計画
Fedora 10 までのコードを使用します。
ドキュメント
リリースノート
TigerVNC がデフォルトの VNC として使用されます。 パッケージ名は tigervnc, tigervnc-server, tigervnc-server-module へと変更されました。 実行ファイル名はこれまでのバージョンと同じです。 libvnc.so モジュールは tigervnc-server-module というサブパッケージに移動されました。 その他は変更はありません。
コメントおよび議論
Talk:Features/TigerVNC を参照してください。
ユースケース
Gnomeメニューから
アプリケーション→インターネット→ VNC ビューア がリストに存在します。
クライアント/サーバの組み合わせ
- Fedora 11 TigerVNC クライアント <--> 同サーバ
- Fedora 11 TigerVNC クライアント <--> 他の VNC サーバ (vino)
- 標準的な VNC クライアント (vinagre) <--> Fedora 11 TigerVNC サーバ
- Fedora 11 TigerVNC クライアントの ユーザ名/パスワード ダイアログ
TigerVNC (クライアントとサーバ両方がTigerVNCのときのみ)
- JPEG 圧縮 (オプション)
- Unix での自動 SSH トンネリング
その他
- vncconfig が動作し、クリップボードサポートが機能するように?
- クライアントが IPv6 をサポート
- X サーバが libvnc.so を使用
- ビューアに clipboard/primary オプションが表示される
- anaconda が TigerVNC を使用
- エンコーディングと色数選択 (選択式リスト)
- 表示のみモード (画面は表示できるが操作はできない)
- 共有 (複数クライアントの同時接続)
- フルスクリーンモード (クライアント)
- Xvnc が基本的な RandR をサポート (画面のサイズ変更)
国際化
- LANG=ja_JP.UTF-8 /usr/bin/vncviewer (ユーザの言語に合わせて LANG 環境変数を設定)